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工場野菜を作る工場には、2種類のタイプがあります。一つは、施設の四方が壁に覆われ、屋根も通常の工場と同じように太陽光を遮断する、完全密閉の空間で栽培する「完全人工光型」です。もう一つは、屋根の部分だけ透明になっており太陽光を空間に取る「太陽光利用型」は、太陽光が野菜に直接あたる必要があるため、従来の畑のように栽培ラインは一層になります。一方、「完全人工光型」は太陽光との関係を気にせず栽培できるため、工場内に複数層の栽培ラインを作ることができます。
ここでは、「完全人工光型」の野菜工場を見てみましょう。
スプレッドの野菜工場は、「完全人工光型」を採用しており、16層の栽培ラインが日々稼動しています。
栽培ラインは、大きく分けて3つの部屋からできています。
第一の部屋は、野菜の種を植え発芽から苗のなるまでを行う部屋です。この部屋は、いわば新生児室です。衛生管理の行き届いた部屋で、一人前の苗になるまで丁寧に育てられます。新生児同様、発芽したての野菜はデリケートですので、温度、風の流れなどをコントロールし、野菜がもっともスムーズに苗まで成長できるよう、独立した部屋で環境を作っています。
第二の部屋は、一人前の苗を立派な野菜になるまで生育する栽培ラインです。苗が栽培ラインに載せられると、50日で完成品になるよう設計されています。これは露地栽培のおよそ半分の時間、つまり工場野菜は、露地野菜が1つの野菜を作る時間で、2つの野菜を作ることが可能なのです。
「完全人工光型」の工場では、太陽光の代わりに人工光である、白熱電球、蛍光ランプ、LED光源などを利用します。これらの光源はすべて工場内の電気によってまかなわれるため、生産効率はより消費電力が少ない光源が理想です。が、光源の種類によって出来上がる野菜の完成度も左右されるため、一概に電力消費量だけで理想的な栽培ラインが作られるわけではありません。いわば工場野菜の生産は、生産効率と完成品の品質との戦いによって生み出されているのです。
第三の部屋は、出荷から配送までを行う空間です。ここではまず、完成した野菜を人間の目で丁寧にチェックし、不要な端葉は取り除く作業を行います。きれいになった野菜は、一つずつ包装されます。このように端葉を取ってから包装するため、一般の生活者が家で料理をする場合、端葉を捨てる必要がなく、すべての部分を利用できるのです。
包装パッケージに入った野菜は出荷準備のカートに入れられ、この部屋から直通で低温物流用のトラックの荷台に載せられます。このトラックが、スーパーやレストランに直接配達し、みなさんの手元に届くようになっています。


